漫画喫茶が好き
漫画喫茶が好きだ。
漫画が好きだからというのもあるが、あの狭いスペースがいい。
完全にひとりになるための場所って感じがして、みんなひとりになりにきているというのがいい。狭く孤独であるのだが、だからこその自由というものを感じる。
終電を逃して深夜に行くのも悪くない。帰り道をなくした連中ばかりで、一方的に親近感がわくし、同居人ではない他人のいびきを聞いているとなんだか可笑しくなる。まあ寝起きは最悪に近いのだが。
だが何より、漫画喫茶で読むと、漫画に入り込めてすごく楽しい。
例えば『違国日記』なんかを最初読んだのは、家にいられなくて漫画喫茶に行ったときだったが、おれは気づけばフラットシートで涙を流していた。
他にも、『ベイビーステップ』をじっくり読んで戦うことの熱を感じたし、最近だと『よふかしのうた』を読んでなぜか泣いた。なんでだろうね。あれ泣く漫画じゃないけれど、なにかが刺さったのだと思う。
今あげた作品は結局電子なり紙なりで買ったのだが、やはりあの閉じた矩形で読んだ時が、いちばんいい読み方ができた気がする。
おれにとって漫画喫茶はそういうところだ。
ただし、ドリンクバー付近の席はダメだ。うるさいから。